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とんとん。

2010.05.10 Mon
大学の時に4年間続いたバイトがあった。


「主に、電柱を建てる際に必要な穴を、

 掘削機が使用できない場合に、

 手で掘り進めていく職人さんのお手伝い」


という内容だった。


「掘削機が使用できない場合」というのは、

例えば、住宅地が密集している場所や、

山奥など、掘削機が入っていけないような場所への建設か、

掘削途中にガス管、水道管などがあったり、

周りが壊れやすい物で囲まれていたりして、

掘削機を使用するとそれらを破壊してしまう可能性がある場合である。


そんな時に、職人さんが登場し、

どんな場所でも基本的にはスコップのみで

直径1mほどの穴を、深さ2m50cm掘っていくのである。


直径1mなんて、大人一人がやっと入れるくらいである。

それをあなたの身長の2倍掘り進むのである。


しかも、どんな場所でも。


その際に、出てくる土をバケツで組み上げたり、

地盤が石ならば、スコップでは無理なので、

こんな機械や、こんな機械を使うのだが、

それを地上から、その穴の中にいる職人さんに

手渡したりするのが主な仕事である。


僕は、先輩の紹介でこのバイトを始めたのだが、

「親方からたくさんのことを学んでいる」という

先輩の一言を聞いてこのバイトを始めた。


職人さん達を「親方」と呼ぶのだが、

その親方をとりまとめている親方さんがいる。


僕はその親方さんにとても世話になった。


先輩も、その方のお人柄に惹かれて、

こんなわけのわからないバイトを

続けているとのことだった。


本当に頭が上がらない。


朝の集合、そして各現場への出発のまでの間での会話、

もしその親方さんとペアを組むときには、

その移動中に、本当にたくさんのことを学ばせてもらった。


この会社は、

中部電力、そしてその下請けのトーエネック、

その下請けのポジションである。


この会社は、不景気の中で、どこも下請けは

苦労している中で、どんどん業績を上げていった。


そこでの、経営手腕を教えてもらった。


「上との話のし方」

「仕事の取ってき方」

「次の仕事へのつながるような対応」

「リーダーとは」

「人心掌握とは」

「トヨタとは」

「日本とは」


本当に挙げたらキリがない。


たくさんのことを学ばせてもらった。


やんちゃで生意気でいい加減な体育学部の若者バイトたちと、

その道何年の堅気な土方の親方たちとがうまくいくわけがない。


「こんなやつらと仕事ができるか」


「バイトでここまで言われる筋合いないし」


そんな間に、その方がうまく根回ししながら、

うまく仕事を回転させていっていた。


「なるほどな、経営者にはこんな細やかさが必要なんだ」

と驚かされたものである。


そんな親方に一番何を学んだのかと言うと、


「人生はとんとんだ。」


ということである。


現場の状況はその日、その場で全く違う。

一つとして同じ穴は存在しない。


天候によっても、季節によっても、

土質、水を含んでいるかの有無、

他工事との関連などなど、


様々な変数があり、どれもかなり変動する。


でも、

「直径1m、深さ2m50cmを期日までに」

というのは変わらないのである。


言い訳は通用しない。


だから、バイトから帰る時間がバラバラだった。

でも、報酬は同じ。


雨の中で、めっちゃ暗くなるまで、休みなしでも

日給は同じ。


岩盤で、ほとんどバイトは座っているだけの楽な日でも、

日給は同じ。


一つとして同じ日はなかった。


そして親方は言った。


「早く終わる楽な日もあれば、遅く終わる日もあるよ。

 でも、結果的にはとんとんだからな。」


って。


今の世の中、「等価交換経済」である。


サービスに対して、貨幣を交換する。

それは等価でなければ成り立たない。


そりゃそうである。


コンビニで150円コーラ買ったのに、

今日は半分だけの量しか入っていなくて、

明日は2本ももらえたでは、

ちょっと話がおかしくなってくる。


だから、

会社の中で、みんな同じ給料をもらっているのに、

残業しっぱなしだったら文句が出てくる。

等価ではないから。


でも、同じ給料なら、

「なるべく仕事量は減らそうとする」のである。

人間ずるいものである。


その視点で見てみると、

このバイトはとてもじゃないけど、

「等価交換」ではない。


自分が泥だらけで、ずぶ濡れで現場から一番遅くに帰ってきて、

後輩は、2時間前にさっさと帰ったらしい。


でも同じ日給なのである。


しかし、逆の日もある。


そして、長い目で見て、

結果的には「とんとん」というところである。


だから、いちいち何も言わない。


それよりも、

それ以上に親方は、「いつまでも自分の夢を心配してくれる」し、

実家に帰るときには「秋田まで遠いだろ、気持ちだ」って、

多めに給料をくれたりするのである。


お金以上のもんを「贈与」されたのだと思う。


だから、なぜかそんなに帰る時間、労働量がバラバラなのに、

なんの不満も出てこないし、

むしろ「もっともっと働かなければいけない」と感じるのである。


本当、

いろいろ権利だ、主張だ、

誰の責任だ、ベストのソリューションはって、

うるさい人が多いけど、

「黙って誠実に仕事しろよ」と思う。


そしたら結果的に、「とんとん」なのだから。




そういえば、そのバイトの親方、

そしてその下の親方たちは、

「競馬」が好きだった。


なるほど。


今なら何で競馬が好きなんかわかる気がする。




本当に世話になりました。


俺、今Boulderってとこでがんばってます。




Yuta
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Category:大友 勇太 | Comment(2) | Trackback(0) | top↑ |
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no subject

とんとん。のお陰で少し立ち止まって見れたよ。ありがとう。変わらず頑張れ!
jhHw6g8s | 渡部 | URL | 2010.05.12(Wed) 06:17:40 | [EDIT] | top↑ |

Re: no subject

渡部さん、

お久しぶりです。
お子さん、奥さん、そして渡部さん共々お元気ですか?

本当にバイト紹介してもらってよかったと思ってます。

アメリカでいろいろ不安になることも多いんですが、
「晴れで楽な現場もあれば、雨でとことんしんどい現場もあるけど、
 最終的にはとんとんだな。」って、長い目で見れるように
なったのはあのバイトのおかげだと思っています。

何気ない言葉ですが、すごく大事だと思います。


またいずれ日本に帰ろうかとは思っています。
その時にはぜひお子さんにお会いしたいです。

渡部さんも変わらずがんばってくださいね。

僕は相変わらずですから。笑
- | 大友 勇太 | URL | 2010.05.12(Wed) 12:42:26 | [EDIT] | top↑ |

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